神家昭雄氏 講演会(建築士会神戸支部)
本年度も 建築士会神戸支部にて 特別講演会を行っております。
本年度は、古民家再生で有名な 岡山の建築家 神家昭雄先生です。
建築士会神戸支部にて理事をしています高橋利郎は、司会を 本年度も担当することになりました。
ご関心ございましたら、ぜひ会場まで お越しください。会場でおあいしましょう。
ズーム視聴も可能です。
その他、年間を通して、建築士会では活動をしており、こういった講演会や建築見学会、市民のための親子事業(割り箸で作る家)建築士のための専門家講習会(設備 意匠 法規 構造 施工等)などを行っています。建築士会神戸支部では、こういった活動に参加して頂ける方を 募集しています。ご関心ございましたら、当方までご連絡頂けますと幸いです。
どうぞ宜しくお願い致します。
題目:『普通で自然な建築 美しい普通はあるのか?』
講師:神家 昭雄 神家昭雄建築研究室
会場:神戸市産業振興センター9階 アクセスMAP
定員:入場50名、ライブ配信視聴100名
神家先生の 講演会 無事終了しました。
先生の講演が 1時間45分 ほどあり、スライドも力作でした。
質問は WEBで 5つ 会場で 3つほどありました。
質問時間はあまりとれませんでしたが、多くの方に ご来場と WEB参加 頂き、盛況となりました。
高橋利郎は、司会を 担当しておりました。
神家先生。 パワーポイント資料、かなり時間をかけて作成して頂いたものかと思われます。
説明もわかりやすく、面白いものでした。
会場でも いくつか質問して頂きました。
以上
ご参加ありがとうございました。
神家先生の講義内容です。
①古建築の魅力
閑谷学校(津田永忠設計) 流店後楽園 大徳寺孤篷庵(小堀遠州設計)慈光院(奈良)唐招提寺(奈良)
フィンランドの礼拝堂(ブリュックマン設計)など、多くの古建築をあげて頂き、そこから、どのようなエッセンスを感じ、神家先生の設計にいかされているのかをお聞きしました。
・軒が低い建物はプロポーションが美しい。
・木造の柱が微妙に 位置がずれて存在することで、見え隠れする柱によって、室内からも外観も面白い風景が感じることのできる。アシメトリーの美学
・中間領域というものを日本建築は大切にしている。
②改修における考え方
時間と他者性をよく考えながら、新しい時間を如何に建物に取り込んで設計を行うのか。時間と場所と記憶は近代建築にかけた要素である。伝統と素材 機能 文化 記憶を考えながら設計を行っている。
・歴史、風土、場所、人である伝統
・リサイクル リユース スポリア(建築部材の再利用)古美る 美しさ 味わい 情緒 をもつ素材
・コンバージョンとリノベーションを通しての機能性
・時間の経過 文化的価値のあるもの 文化
・愛着 人の思い 記憶
③時間というものの概念に対する考え方
・直線的時間
均質な時間経過 時間の重層 時間の視覚化 再生における時間のずれ
・円環的時間
自然がもっている時間 繰り返す時間 式年遷宮 伊勢神宮
・螺旋的時間
古いものに新しい命を
・停止した時間
文化財など
・超越的時間
時間と空間を飛び越えて時間の矢が飛んでくる芸術の世界
④実作を通しての設計の考え方の紹介
多くの実作のスライド写真を見せて頂き、実作でどのようなことを考えられたのか示して頂きました。
・視線が色々と通る空間は楽しい。
・夜景が街を華やがせる
・敷地の環境をどのように生活の豊かさにつなげていくか
・狭い空間から広い空間に移ると広い空間がより広く感じる。圧縮と開放のシークエンスを大切にしている。
(狭い空間→広い空間→狭い空間→広い空間と 空間のつながり具合や対比具合を考える。例えばただ長いだけの廊下では面白くないため、曲がるたびに新しい風景と空間にであうような設計)
・屋根の形と外観は、周辺の山の勾配にあわせることで外観が落ち着く。
・屋根の形が周辺の山の勾配にあわせたことで、内観も棟の位置等面白くなる。
・視線がのびることが設計においては重要なため、開口部の位置とサイズも十分検討を行い風景を切り取る設計を行う。
・一般的には西日が嫌われる要素となるが、格子からの西日が土間にあたることにより、室内の雰囲気が変わりリフレッシュすることになるため、開口部からさす光や風 雲の見え方など、建物をどうリフレッシュさせるかということも検討項目に入れ設計している
等でした。
⑤私の個人的な感想としては、
・平面図が 室の形状とともによく考えられており、一見して綺麗である。
・アプローチもよく考えられている。
・北庭等 庭の位置もよく考えられている。
・空間というものを常日頃よりよく考えられており、単一空間であるだけでなく、その空間のつながり具合で全体空間の設計を考え、居心地のいい空間を設計している。
・周辺環境を良くとらえ、視線の流れを考えて どの方向に 視線が抜けるのかを考えている。
・光のとらえ方や風、雲の見え方などによって、動かない建物を 日々リフレッシュさせるのかを考えている。
・古建築の伝統の設計手法から学び、その美的感覚を、現代にいかそうとして、設計されている。
といった内容でした。
非常に面白い講演会となりました。
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